酒も煙草も女もいいからゲームをやらせろ

配信でプレイしたゲームの感想をつらつらと述べたい。

ペルソナ5(PS4)

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1.概要

 今やすっかり[アトラス]の看板となった、[ペルソナ]シリーズ。本作は2018年現在、ナンバリングタイトルにおいて最新作に位置する。一昨年発売の本作だが、今年は取り沙汰されることが多かった。TVアニメ化、他社ソーシャルゲームとのコラボレーション、[P5D]や[PQ2]といった関連作品の発売など。直接プレイせずとも、その名を耳にしただろう。

 [ペルソナ]と言えば、ジュブナイル。本作も例に漏れず、ティーンエイジャー達による冒険活劇が繰り広げられる。そのうえ本作は、"心の怪盗団"となった主人公達が、様々な欲深い権力者の精神に内から触れていくピカレスク・ロマンでもある。

  その人気は国内に留まらず、海外では[The Game Awards 2017]にて[Best Role Playing Game]を受賞した。世界から注目を浴びる本作について、それでは、筆者の感想を述べよう。

  なお、本作はどうもストーリーに重きを置いているらしく、以下の画像に示される「お願い」が公式サイドからなされた。よって、本稿でもそれに留意した表現を心掛ける。

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とのこと。

 

2.良い感想(ストーリー以外について)

 目に映るグラフィック、先ずそこに感動があった。街やキャラクターを造る3Dモデルのことではない。とかく目を引くのが、テキストウインドウやメニュー画面、画面表示情報などのデザインだ。黒赤白を基調とする色使いに、崩された文字。メニューを進めると、背景の主人公も連動して躍動する。月並みな表現だが、お洒落だ。

  BGMの出来も素晴らしい。On Vocalが多く、[ペルソナ]と言えばBGM、と言わんばかりの製作陣の意気込みを感じる。特に、予告状を送り付けた際のBGM[Life Will Change]は、洋楽ロックとしての鑑賞に堪えるほど。

  勿論、従来の[ペルソナ]らしさは損なわれていない。歯応えのある難易度に、いつもの悪魔達。「3」からの要素「コミュニティ」も、「コープ」と名を変え健在だ。無暗に異性と恋愛関係を築いていたら、修羅場が訪れてしまった。お約束に、筆者は微笑んだ。

 主人公を囲む仲間達も魅力的だ。高校生らしく活気に溢れ、声優の名演も光る。「モルガナ」は物語序盤から登場し、生活のパートナーを務め、怪盗団のメンバーでもあり、戦闘のナビゲートもこなす。つまり、セリフ量が尋常でない。彼の声を当てた[大谷育江]さんは、プロの鑑だと思う。

  また、これは評価すべき点か怪しいが、本作は非常にボリュームがある。高難易度も相まって、進めても進めても底が見えない。50時間程プレイした後に、疑問に思った。これ、いつ終わるの? 筆者がその答えを知ったのは、更に80時間プレイした後だった……。

 

3.悪い感想(ストーリーについて)

  では次に、このゲームの肝たるストーリーに関して述べよう。有り体に言ってしまえば、要所が雑で宜しくない。「カロリーヌ&ジュスティーヌ」に従い詳細は伏せる為、抽象的になってしまうが。

 主人公達は熱心に怪盗団活動に取り組むが、どうもその動機や目的が上手く説明されない。ブレていること自体はストーリーの範疇であっても、納得できる描写が欲しい。途中、とある敵役が主人公達の行いをエゴだと指摘する。なかなか正論なのだが、それも有耶無耶にされる。そんな調子なので、物語序盤に私怨で相対する第一の敵役が、素直に憎らしくて一番面白いと巷でよく語られる。

  また、先に述べたように本作はボリューミーなのだが、序盤のややもすればしつこくなりがちな進行に対して、終盤は打って変わって、速足で行き当たりばったりなきらいがある。物語のバトンを上手く繋げていない。最後の仲間などは大した描写もないままかなり後半に加入する為、どうにも印象が薄い。ライバルの唐突な自分語りに、興醒めしたとの意見もちらほら耳にする。突貫工事の匂いを感じざるを得ない。

 例の取調室トリックについても、散々勿体を付けた割には中身が伴っていなく、素直に感嘆出来なかった。

 

4.まとめ

  [wikipedia]によれば、本作は二度の発売延期を伴い、少々難産であったらしい。なるほど、その傷跡は感じ取られる。

 といっても、ストーリー以外の要素は何もかもが高水準だし、ストーリーについても矛盾や説明放棄があった訳ではない。[Best Role Playing Game]を獲ったその実力は、紛れもなくホンモノだ。

 興味のある方は是非、"心の怪盗団"に参加してみてはいかがか。100時間以上は、「盗まれる」覚悟をしておいた方がよいぞ。

 ところで、本稿は女性キャラクター達をきちんと紹介したか?このままでは、「魅力」が不十分だ。批判を述べる「度胸」や、「器用さ」を養う為にも、今から色々書き直し……f:id:naganopompom:20181123222613j:plain