酒も煙草も女もいいからゲームをやらせろ

配信でプレイしたゲームの感想をつらつらと述べたい。

龍が如く0 誓いの場所(PS4)

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1.概要及び背景

  筆者がちょうど高校生と大学生の境目にいた頃だろうか。[セガ]から聞いたことのないゲームが大々的に売り出された。それは、ファンタジーをメインに扱うことの多い日本製ゲームの中で異彩を放っており、たまたま手にした筆者は、その暴力的な世界観にすっかり魅了された。それが、本作の原点に当たる、初代[龍が如く]だ。

 [龍が如く]は順当に世間から評価され、その後様々なナンバリングタイトル、及び派生作品を生み出した。筆者は初代をプレイした後、それらについて触れる機会を逃したが、あのヤクザな世界観を再び経験したい想いを胸に秘めていた。

 あれから12年、筆者は思い立った。だが、どれに手を付ければよいかわからない。続編である「2」か?「極1」で初代を振り返るか?歴史好きとして「見参!」や「維新!」もよい。

 そんな中、目にしたのが「0」だ。曰くこれは、長続きして方向性のぶれたシリーズを、再び暴力的に立ち返らせる作品性があるとか。バブル時代を舞台にし、金をテーマに汚い世界を描きつつも、一方で、今や如く名物となったハイクオリティなミニゲームに溢れているとか。主人公の名は「桐生一馬」及び、「真島吾郎」。なるほど、聞き覚えのある。 そして、筆者は「0」を手にした。

 

2.感想

 感想を述べる上で、一つ、考慮すべき点がある。本作は、果たしてアクションアドベンチャーで収まる内容か。グラフィック、ストーリー、3Dアクション、ミニゲーム。そのどれもにとても力が込められている。とかくバラエティに富むことは、本シリーズを経験した方はご理解頂けるだろう。そこで本稿は、個々の要素に対し意見を述べることを感想としたい。

 

(Ⅰ)グラフィック

 非常にハイクオリティで、本物と見紛うほどの景観やゲームキャラクターが在る。というか、特定のそれはもはや創造物ではなくリアルのなぞりだ([竹内力]扮する「阿波野」等)。演出も凝っており、ゲームとは思えない見栄えの活劇に筆者はとても興奮した。だが、暴力的な内容と相まって生々しく表現されるきらいがあり、僅かだが嫌悪感を抱くケースもあった。

 

(Ⅱ)ストーリー

 Vシネマのヤクザ物に比肩する。任侠、暴力、権力争いと抗争の世界がたっぷり詰め込まれている。とにかく演出が凝っており、なにげない会話や食事にも面白い仕草や言い回しが含まれていて、見て飽きない。だが、探索型アドベンチャーゲームの宿命か、俗に言う「おつかい」で度々間延びされた。

 キャラクターも直情的な者が多く、ヒーロー、ヒール共々見ていて心地良い。しかし一点、「桐生一馬」サイドの行動に疑問を抱くことがままあった。彼らは度々、ヤクザに脅されてもはねつけたが、それは勇気ではなく無謀に見えた。筆者がヤクザ物への理解に乏しいのかもしれない。

 

(Ⅲ)3Dアクション(戦闘)

 ここで初めて酷評させて頂く。どうも面白くない。

 かの[BIOHAZARD]や[DARK SOULS]は、アイテムを絶妙に配置することで見事な緊張感を演出した。だが、本作はプレイヤーの意思で簡単にアイテムの補充ができる為、調整に難儀した。

 また、極の発動やオブジェクトを掴む際の反応が非常に悪く、常に戸惑わされた。4種の操作スタイルを任意に使い分けられたが、強化を施し使い慣れた特定の1種に頼りがちな、バランスの悪さがあった。

 

(Ⅳ)ミニゲーム

 とにかく多種多様に存在する。作りこみの度合いは一様でなく、シンプルなものからクリアに十時間以上を要するものまであるが、クオリティは概ね高い。ミニ四駆やキャバクラ経営などは、正直戦闘よりもやりがいを感じる。このミニゲーム集こそが、[龍が如く0]のメインコンテンツであると捉える人がいてもおかしくない。

 

3.まとめ

 12年ぶりの[龍が如く]は、筆者に、他のゲームでは味わえない奇妙な満足感を与えた。非常にリアルな映像に暴力的なストーリー、謎に作りこまれたミニゲーム。混沌としたそのさまは、筆者をまた次の如く作品へ誘う魅力に溢れていた。これで、アクションさえ面白ければ……。最後に、筆者一番のお気に入りキャラ、「佐川」の名台詞に本稿を締めていただく。

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