酒も煙草も女もいいからゲームをやらせろ

配信でプレイしたゲームの感想をつらつらと述べたい。

CHAOS;CHILD(PS4)

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1.概要及び背景

 本作は、[5pb.]による科学アドベンチャーシリーズの第4作目だ。[STEINS;GATE]が非常に高い評価を受け大ヒットしたことは、読者の皆様も知るところであると思うが、本作はそれの次々作にあたる。[Amazon]の★数などからも窺い知れるが、本作もまた、巷では[STEINS;GATE]に負けず劣らずの高評価を得た。

 ところで、筆者は[STEINS;GATE]が好きだ。詳細は割愛するが、あのゲームは私にとても大きな感動をもたらしてくれた。「この作品は、シュタインズゲートを超えたのか?」。これは、公式が用いた本作のキャッチコピーだ。だが本作は、科学アドベンチャーシリーズの中で最も猟奇的であるとも言われる。

 ここまで揃えば、アトラクティブな要素は十分ではなかろうか。

 

2.悪い感想(主にプロローグ~中盤)

 本作がサウンドノベルのミステリーである以上、誰が死ぬといった具体的な話題は伏せる。

 プロローグからしばらくは、プレイヤーを引き込もうとする所謂「つかみ」の意思を感じさせるような印象深い展開が続いた。だが、数時間もプレイし本作の世界観が十分に説明され終えた後は、ひどく話が停滞したように感じた。キャラクターが何か行動を起こしても、結果的に話にあまり進展がなく見えた。話の本筋と関係のない所謂日常パートも、中盤に多く刺しこまれた。つまり、中弛みした。この手のサウンドノベルではよくあることだが、本作とて例外ではなかった。

 キャラクターについても難しい。主人公やヒロインを始め、非常に個性的で魅力的な者達が揃ってはいるが、それは同時にファンタジー色が強く、発想に共感し難い特徴も有した。進まない話に理解しづらい行動が重なり、ひどくモチベーションが削がれることもあった。BGMや一枚絵のバリエーションも、不足しているように感じた。

 

3.良い感想(主に終盤)

 筆者は、このゲームの価値を終盤のストーリー展開にあると考える。中弛みした中盤から徐々に、どうせ○○でしょ?といった予想を良い意味で裏切り始める。その度合いはエンディングに近づくにつれ増し、最後には良いオチがつく。ドラマチックな展開は、ファンタジックなキャラクターともよくマッチして、こちらでは好ましい印象を生む。蛇足的な日常パートも姿を消し、伏線もなかなかきっちりと回収される。

 もし、私が中盤で本作を終えていたら、正直30点を付ける。そして、中盤の失速に目を瞑れと言われれば、85点を付ける。それほどまでに、終盤は魅力的だった。BGMや一枚絵の乏しさが解決されないことが惜しい。

 

4.まとめ

 「この作品は、シュタインズゲートを超えたのか?」。ただのキャッチコピーではあるが、答えよう。残念ながら、Noだ。しかし、それは[STEINS;GATE]がただ高い壁であるだけで、なにもこのゲームをお粗末だと罵るつもりはない。詳細は伏せるが、このゲームのアプローチは明らかに[STEINS;GATE]のそれと異なる。自社の強力な商品に挑戦するかのように、あれやこれやと工夫を凝らしたこの[CHAOS;CHILD]を、私は評価したい。皆様も是非、お手に取ってみてはいかがか。特に、[STEINS;GATE]が好きであれば……。

(余談だが、このゲームは2015年発売にしてはやや値段が高い。筆者は今週末にクリアしたい都合もあり、DL版¥7560を支払わされてしまった……。)

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グラフィックは[STEINS;GATE]以上にアニメ調だ